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健診の項目:AST、ALTとは?

こんにちは!検査のゲンです!

今日は血液検査でよくみるAST、ALTについて解説します。

 

目次

 

 

 

AST、ALTって?

AST(旧名:GOT)はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ALT(旧名:GPT)はアラニンアミノトランスフェラーゼの略です。

糖質でない素材からグルコースを産生する代謝系=糖新生系というものがあり、これは主に肝臓で行われ、血糖維持に役立ちます。

一部のアミノ酸の炭素骨格部分を利用してグルコースに変換するためには、アミノ基転移反応が必要とのこと。

この反応を触媒する酵素のうち、特に重要なAST、ALTは肝細胞に存在し、肝細胞が障害されると血中に流出するため、肝細胞障害の指標となります。

またASTは心臓等ほかの臓器にも多く存在し、心筋梗塞でも細胞障害により血中に漏出、酵素活性が上昇します。

※ASTは、戦後に米国大統領が心筋梗塞で倒れた際に、診断に役立ち、有名となったようです!すごいですね(^^)

基準値からはずれたら?

基準値範囲は、施設や測定方法にもよりますがASTは10~40 U/L、ALTは5~40 U/Lです。

AST、ALTともに高い場合

急性・慢性肝炎、肝硬変、肝がんが考えられます。

ASTのみ高い場合

肝臓以外の病気の可能性があります。

心筋梗塞や筋肉疾患、溶血性貧血が考えられます。

AST、ALTともに基準値範囲内もしくは低い場合

基本的には問題にはなりませんが、肝細胞の壊死が広範囲にわたる場合も考えられます。

 

 

せっかく見るならこれも見て!

AST/ALT比を見る!

慢性肝炎ではAST<ALTとなり、さらに進行し肝硬変となるとAST>ALTとなります。

肝疾患のない場合、AST、ALTともに基準範囲内で、AST>ALTです。

血小板(PLT)の値もみてみよう!

肝疾患が進展すると血小板(PLT)が減少し、かなり進行した慢性肝炎、初期の肝硬変の可能性があります。

 

AST、ALTの数値を見る場合は、単独の数値だけでなく、AST/ALT比や血小板(PLT)もぜひ一緒にチェックしてみて下さい!

 

 

日本4大肝疾患はB型肝炎C型肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝疾患のようです。

肝臓は病気になっても症状が出ないことが多く、これらが健診により発見される可能性があります。

定期的に血液検査だけでもされることをおすすめします!

 

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